美容室の内装工事と耐用年数の関係性

美容室を開業するためにおこなった内装工事の費用は、耐用年数の期間内に償却すれば費用として計上できます。内装工事の種類によって、耐用年数はそれぞれ違いがあります。

美容室の内装工事をする時に気をつけなければいけないことは、工事をするために支払った費用を経理する方法です。基本的に美容室が内装工事をした場合には、耐用年数に従って費用の金額を償却する必要があります。そのために、こうした方法で正しく経理処理をするためには、内装工事の耐用年数を正確に知っておくことが必要です。この記事では、こうした美容室の内装工事の耐用年数について解説します。

美容室の内装工事と大きな関係がある耐用年数

美容室

美容室の内装工事をした場合には、工事のために支出した費用の全額を、工事をおこなった事業年度の費用として計上することはできません。このような場合には基本的に、美容室の内装工事をするために支出した費用を全額、店舗の資産にすることが必要です。事業者が所有することができる資産にはいくつかの種類があり、美容室の内装工事のために支出した費用は、減価償却資産にすることができます。

減価償却資産とは、事業のために使用する期間が長くなるごとに、価値が減少する資産のことです。価値が減少した部分の金額は、各事業年度の費用にすることができます。減価償却資産はいつまでも無制限に費用にできるわけではなく、それぞれの資産の耐用年数の期間に限り、費用にすることができます。そのために、美容室の内装工事のために支出した費用の耐用年数が長ければ、長期間にわたって資産を費用に計上することが可能です。おこなった内装工事の種類によって、それぞれ減価償却資産の耐用年数が決まっています。

耐用年数に関係なく内装工事の費用を経理できる場合

美容室が内装工事をするために費用を支出した場合でも、減価償却資産として計上しなくても良い場合があります。このような場合には資産の耐用年数に関係なく、内装工事の費用を支払った事業年度にその全額を費用に計上できます。こうした方法で内装工事の費用を経理できるのは、内装工事をするために支払った費用の合計額が10万円未満である場合です。美容室の内装工事をしたけれど、軽微な工事であったので10万円もかからなかった場合に、このような制度が利用できます。

美容室の内装工事にかかった費用が10万円以上の場合にも、耐用年数に関係なく費用にできる場合があります。美容室の内装工事の費用が10万円以上20万円未満の場合には、それらの費用の合計額もしくは一部を、3年間にわたって費用にすることができます。この場合には、本来の耐用年数が3年以上であっても、3年間で全て費用に計上することができます。この方法で計上できる各事業年度の費用の金額は、それぞれ総額の3分の1です。

建物の造作に該当しない内装工事の耐用年数

美容室が内装工事をした場合、内装工事のために支払った費用の耐用年数は、基本的に内装工事をした建物の耐用年数と同じものが使用されます。こうした方法で経理をする時に気をつけなければいけないことは、全ての内装工事の耐用年数が建築物と同じであるとは限らないことです。建築物と同じになるのは、おこなった美容室の内装工事が建物の内部に設置された造作物に該当する場合です。

したがって、このような施設とはみなされない内装工事がおこなわれた場合には、その部分の工事をするために支払った費用は、別の方法を使用して経理をすることになります。この方法で経理をする場合には、何が建物の造作物に該当するか、正しく判断することが必要です。建物造作物であると判断して経理をしても、実際には造作物に該当しないこともあるので、耐用年数を間違えて経理をしてしまうこともあります。美容室の内装工事が建築物の造作物に該当するかどうかわからない場合には、専門家に相談した方が最適です。

内装工事が造作物の設置に該当する場合の耐用年数

美容室

美容室の内装工事をした場合で、工事が建物の造作物の設置に該当する場合には、使用している建築物の耐用年数が造作物の耐用年数となります。建築物の耐用年数は、建築方法によってそれぞれ違いがあります。建築物の中でも特にこの期間が長いのは、鉄筋コンクリートで建設されている施設です。このような種類の施設を美容室などの事業のために使う場合、39年になります。木造住宅の建築物を美容室のために使用している場合には22年になります。

美容室の内装工事をして建物内に設置した造作物の耐用年数も、これらのものを使って計算します。ただし、こうした方法でおこなう経理はいくつか例外もあるので注意が必要です。美容室の内装工事が造作物の設置にあたる場合で、建物の耐用年数が使われるのは、その建物を美容室経営している人が所有している場合です。別の人が所有している建築物を賃貸して美容室を経営している場合には、別の方法で計算をします。賃借期間などが使用されるのが一般的です。

建物付属設備に該当する美容室の内装工事

美容室の内装工事をした場合であっても、その工事をするために支出した費用の耐用年数が、建物のものと同じものが使用されないこともあります。このようなケースに該当するのは、おこなった美容室の内装工事が建物付属設備に該当する場合です。建物付属設備とは建築物に付属している設備のことで、建物とは別のものと区別されているので、耐用年数も別のものが使われています。美容室の内装工事の中でも、このような種類のものに該当するのは、照明のために使用している施設を変更するためにおこなった内装工事です。

このような種類の工事によって設置されたのは、建築物の造作物ではなく照明の装置であるため、このような種類のものに分類されます。美容室で使用する電気設備のために工事をした場合にも、このようなものに分類されます。電気を使用するための施設も建物の造作物には該当しないので、耐用年数も異なったものを使用します。店舗内の空調をするために設置する設備のための内装工事も、このような種類のものに該当します。

内装工事で設置した建物付属設備の耐用年数

美容室でおこなった建物の内装工事が建物付属設備の設置に該当する場合には、それぞれの施設の種類ごとに決められている耐用年数に従って、減価償却の方法を決める必要があります。美容室で使っていることがある建物付属設備の中でも特に耐用年数が長いのは、ガスを使うために使っている施設です。こうした設備を美容室の内装工事で設置した場合は、15年になります。美容室で使用するお湯を用意するためにガスを使用する場合などに、こうした方法で経理をする場合があります。

衛生管理に関係する設備を設置するために美容室で内装工事をした場合にも、減価償却をおこなう期間は15年です。美容室では衛生管理もしっかりとおこなわなければいけないので、衛生管理のための施設もしっかりとお金をかけて設置することが必要です。美容室で給水や排水をするために使用する施設を設置するための内装工事も、15年の耐用年数を使用して減価償却をおこないます。電気や照明の施設も耐用年数は15年です。

まとめ

美容室

美容室の内装工事をした時に支払った費用は、減価償却資産として、耐用年数の間に費用にすることができます。耐用年数が長いほど、1年間に償却できる資産の金額は少なくなります。美容室の内装工事をした場合の耐用年数は、おこなった内装工事の種類によっても変わります。耐用年数が長くなるのは、美容室の内装工事が建物の造作物の設置に該当する場合です。